日本国内の犬や猫といったペット飼育数は増え続けており、
それと比例するようにペットが入居していた賃貸物件の
「原状回復」に関するトラブルも多くなってきています。
そこで今回は、不動産管理者を悩ませる「ペットに関する原状回復トラブル」
について、その内容やトラブル回避の事前対策などをご紹介していきます。
不動産管理で気を付けたい!ペット飼育と原状回復に関するトラブル
まず、不動産管理を検討されている方に覚えておいていただきたいのですが、
「原状回復」とは部屋を最初の状態に戻さなければならないという意味ではありません。
借主の故意、過失などによりついてしまった損耗に対し課されるものであって、
普通に生活していてついた汚れや経年劣化などは「原状回復」に含まれないのです。
そしてこれは、ペットを飼育していた物件にもあてはまります。
ペットの飼育は借主の意志(故意)によるものなので、ペットがつけた傷や
汚れの修繕費は借主負担となりますが、あくまで通常損耗部分の修繕費
に関しては、不動産管理者が支払うべきということです。
トラブルとしてよくあるケースが、「ペット不可の賃貸でペットを飼育していた。
契約違反なので部屋をキレイにする費用は全額借主に負担してもらいたい」というもの。
気持ちはわかるのですが、その賃貸がペット可なのかどうかにかかわらず、
正当性を超えた修繕費を請求することはできません。
これは「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも規定されています。
ペットで原状回復トラブルにならないために!不動産管理者がすべき事前対策
では、不動産管理をするうえで「ペットに関する原状回復トラブル」
を生まないために、どのような事前対策をうつべきなのでしょうか。
「ペット不可」の物件の場合は、ペット飼育が発覚した際のペナルティを、
契約書に特約として記載しておくことをおすすめします ☆
ただし、「修繕費のすべてを負担」という内容にすると先ほども触れた
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に反してしまうことがあるので、
たとえば「壁紙の修繕費3万円、ただしペット飼育など契約違反による場合は
5万円を支払う」という内容にしておきましょう。
契約違反の有無で金額が変わる旨を明確に記載しておくことが大切です!
「ペット可」の物件の場合は、ペットを飼育する際は敷金と敷金償却の額が
1カ月分ほど多くなる設定にしておき、
退去時に一定額の修繕費用が必要になることを明らかにしておくと安心です。